外国人社員の採用と企業の義務

はじめに

ユーワークスはミャンマーに現地法人Innovasia MJを構え、オフショア開発事業を営むと同時に、ミャンマー人エンジニアを日本国内でも積極的に正社員として採用してきました。これまでに複数名のミャンマー人を日本国内で採用してきた実績があり、最近でも2019年1月からミャンマー人エンジニアを新たに現地から直接採用し、日本国内で活躍していただいています。周知の通り日本国内では慢性的な人材不足が課題となっており、外国人(特に新興国出身)の社員を採用する企業が増えてきました。その一方で、外国人が日本の風土・社風になじめず定着しないという残念なケースも少なくないようです。そこで今回は、ミャンマー人に特化した話ではありますが、ユーワークスが外国人社員の雇用・育成においてどのような取り組みを行っているか、紹介したいと思います。

 

外国人社員の生活サポートは企業の義務

私たちがミャンマー人を雇用するにあたって最も大切にしていることは、彼らが安心して日本で働けるよう、彼らの文化を理解した上で日本固有の文化をしっかりと伝え、その中になじめるよう丁寧にサポートすることです。あえてこのような方針を立てなければならない理由の一つに、そもそも現在の日本が多様性の乏しい国であることが挙げられます。そのことを、私たちもミャンマー人採用を行う中で何度も痛感しました。たとえば、日本では多くの賃貸住宅が外国人(おそらく新興国出身者の場合)の利用をNGとしているため、住居探しでは毎回苦労します。また、税金や社会保険の仕組みは日本人にとっても理解しにくいほど複雑で、初めて日本で暮らす外国人にとって難解であろうことは、想像に難くありません。公共機関から届く重要な郵便物は日本語で書かれているため判読しにくい上、大量の不要なダイレクトメールに混じって届くため、見落とすことも多いでしょう。法的に必要な諸手続も、何をしにどの役所に行けばよいのか、極めてわかりにくいのが日本の現状です。だからこそ、彼らを雇用する会社が充分なサポートをしなければならないと考えています。

 

仕事だけでなく、日常生活のサポートが必須

日本企業が外国人社員に教育・支援を行うのは当然のことですが、その範囲は業務や最低限の契約手続きにとどまらず、日常生活にも及ぶべきと考えています。先ほど、外国人が利用できる賃貸住宅が少ないという話を書きましたが、不動産業者に話を聞くと、彼らの言い分にも一理があるのです。外国人居住者は日本人と比べて部屋を汚したり、ゴミを分別せずに出したりする傾向があり、不動産オーナーにとってはリスクが高いという話をよく耳にします。日本人は世界的に見ても清潔好きで、細かい決まり事を好む国民ですから、別の文化圏から来た外国人が、すぐにそのルールになじめないのは当然といえるでしょう。日本の文化になじんでもらうためには、企業が責任を持って教育するしかありません。そのためユーワークスでは、ミャンマー人社員には日本の生活に慣れるまでは原則的に当社代表・吉本の家に近い場所に住んでもらい、生活上困ったことがあれば、すぐに吉本が駆けつけられる体制を整えることにしました。先日も、ミャンマー人社員の住む部屋に設備上の不具合が起きたため、吉本が不動産業者に問い合わせ、問題を解決しました。また、日本語が不自由なミャンマー人社員が重要書類を見落とすことがないよう、吉本自ら、郵便物のチェックを行うようにしています。

 

私たちがミャンマー人だけを採用する理由

ユーワークスで働いている外国人社員は、現在のところミャンマー人だけです。もちろん日本には、ミャンマー以外の国から来た外国人エンジニアがたくさんいますし、中国人、ベトナム人、ミャンマー人といった様々な国籍の外国人社員が活躍している多国籍企業も最近は増えています。私たちがそれをしないのは、理由があります。すでに書いたとおり、外国人労働者を受け入れるためには、彼らの文化を充分理解した上で、丁寧に日本の文化を伝えていく必要があります。当社ではこれまでに複数のミャンマー人と共に働いてきた経験があるため、ミャンマーの文化に対してある程度理解があり、それに沿った関わり方ができるようになりました。しかし、それ以外の国については未知の要素が多く、その国に合わせた対応ができる体制はまだ当社にはありません。丁寧なサポートが必須と考えているからこそ、早急に「他国籍企業」になることを避けているのです。また、ミャンマー人を集中的に採用していくことで、古参のミャンマー人社員が、新人のミャンマー人をサポート・教育するといった相乗効果も期待できます。

 

中小企業こそ、外国人労働者の雇用に適している

これを読んでいる中小企業経営者のなかには、「外国人社員を雇用してみたいけど、大企業はともかく、当社みたいな中小企業には難しいんじゃないかな?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちは、中小企業こそ外国人社員の雇用に適していると考えています。その理由は、すでに述べた通り、外国人の雇用にあたっては人間対人間の丁寧なサポートが必要だからです。労働力不足を補うためだけに、様々な国籍の外国人を大量に採用するというスタイルでは、外国人雇用はうまくいきません。もちろん、大企業ならではの人材育成システムが、うまく機能するケースもあるでしょう。しかし、組織の規模が小さく、一人一人の外国人社員にしっかり向き合えるのは、中小企業ならではの強みではないでしょうか。