メドテク分野で活躍する若手エンジニア!![2020/9/14]
こんにちは!2020年4月に入社したシステムエンジニアの蓜島です。私は大学・大学院時代にコンピュータサイエンス(主に機械学習)を専攻し、現在は医療×ITをテーマに先端医療機器向けソフトウェアの研究開発に携わっています。本記事では、8月におこなった私の仕事を紹介したいと思います。
医用画像解析システムの研究開発
私は正社員として入社前から当社でシステム開発のアルバイトをしていたのですが、その当時から取り組んでいたのが医用画像解析システムです。医用画像解析システムとは、医療現場で取得されたCT画像をAIで解析し、患部を自動抽出してわかりやすく表示するもの。これにより、レントゲン技師や医師が手動でおこなってきた画像解析の労力を軽減し、負担を減らすことができます。しかし、現在実用化されている製品では画像解析の精度が不十分で、改善の余地があると現場からの声が上がっています。現在、私はこれまで以上に精度の高い医用画像解析システムの開発に向け、研究を進めています。
具体的な業務内容は、大きく下記の3点となります。
(1)類似した論文のチェック
AIを利用した医用画像解析システムは、主に欧米で研究開発が進んでおり、類似ソフトウェアに関する論文が多数発表されています。私はこれらの論文をチェックし、開発に向けて必要な知識を蓄積しています。
(2)既存手法の実装・検証
(1)で研究した類似システムの論文をもとにプログラムを実装し、論文の内容とプログラムの動きを検証します。
(3)AIによる画像解析プログラムの開発
(2)を踏まえ、より高度な性能を持つ、当社オリジナルの新規医用画像解析システムを開発します。
2020年8月に私が従事したのは主に(1)と(2)の業務です。AIによる画像解析の精度を高めるため、既存手法のアイディアを織り交ぜることを目標とし、既存手法の実装に注力しました。とはいえ、論文に実装方法が記述されているわけではないので、論文中で示されている理論を解釈し、プログラムとして実装・検証することが必要です。この実装と検証を繰り返した結果、実装したプログラムが論文と一致していることがわかったときは、とても嬉しい気持ちになります。この実装で得られた経験を、いずれ当社で開発している医用画像解析システムに還元したいと考えています。
地域医療機能推進機構様向けのシステム保守業務
地域医療機能推進機構様は、社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院という3つの病院グループを統合し設立された法人です。ユーワークスは以前、同社に問診データベースシステムを導入しており、その保守業務を私が担当しています。毎月1回、セキュリティパッチの適用やエラーチェックをおこなうのが主な業務ですが、8月には初めてシステムのバージョンアップを実施しました。毎月の定期保守業務と違い、バージョンアップのためにはシステムの仕様を深く理解する必要があり、改めてシステムのことを深く学ぶ機会となりました。
オンライン講座システムUdacityの受講
Udacityとは、世界で幅広く利用されている教育プラットフォームで、データサイエンスやAI、プログラミングといったIT分野の講座をオンラインで受講することができます。私は医用画像についての知識やAI活用の標準技術を習得するため、「AI for Healthcareコース」を受講。特に3D医用画像に関する章を重点的に学習しました。この講座を通して、AIによる医用画像処理や、医用画像を取り扱うツールとその周辺知識を一通り学ぶことができました。なお、この講座は上司の勧めで受けたものであり、受講は勤務時間内におこない、費用は全額会社負担でした。医用AI技術に習熟した技術者に教えを乞う機会は国内では滅多にないため、非常に有意義でした。
村山昇 著「働き方の哲学」を用いた輪読会
入社1年目の研修の一環として、所属長の船橋と社長の吉本と3人で「働き方の哲学」という本を読んでいます。月に2,3回のペースで輪読会を行い、各章についてそれぞれが考えたことについて発表し、共有しています。主な目的は、「なぜ働くか」「どのようなキャリアを進むべきか」といったことを考えること。輪読を通じて、上司のお二人が、過去の仕事経験やそれを通して考えたことなどを話してくれるので、社会人経験の浅い私にとってはとても勉強になると感じています。