ソフトウェア工学のパイオニアに会いにいきました
私たちの恩人、宇都宮先生のお話をうかがいました
ユーワークスを語るうえで、欠かせない人がいます。前筑波大学特任教授の宇都宮公訓氏。当社代表の吉本の恩師でもある宇都宮氏は、ソフトウェア工学を専門として、長年にわたり日本の情報技術の革新に携わってこられました。宇都宮氏の考え方は、吉本の人格形成にも大きな影響を与えています。宇都宮氏は、1987年に、技術支援のために、中国の昆明を訪れました。当時はインターネットもない時代。なぜ日本から遠く離れ、情報が隔絶した地に赴いたのでしょうか?その理由を尋ねると「当時の中国は誰も行きたがらない。誰かが伝えないといけないし、俺に向いていると思った」とのこと。「楽しみは人のために働き、人を育てることですよ」との思いは、今のユーワークスの人材育成の考えにも根付いています。「生きるとは、そういうことだと思う」と語られる目には、齢70を過ぎても尚、社会に対する自分の役割を見つめ、情熱を漲らせる研究者の熱が込められていました。
ITの黎明期を支えた眼差しで、当社の成長を見守ってくれる
当社メンバーの林が事務職からエンジニアにコンバートされた際に、最初に担当したのが宇都宮氏とのプロジェクトでした。代表の吉本が「SEにとって必要なことはスキルや経験の前に人と話せることで、先生であれば、プログラミング未経験の林でも上手に育ててくれる」と感じたからです。その思いに宇都宮氏は快く応じてくれました。宇都宮氏によれば、良いプログラムを書くために必要なのはただ論理的思考力をもっているかどうかで、文系・理系問わないとのこと。「私からはACCESSを数時間教えた程度。林さんに資質があったということ」と評価もいただきました。当時のシステムは無事に納品され、今でも現役で利用されています。吉本が感じたとおり、先生による林への評価は「思いやりやサービス精神がある」「お客さんの注文を、うまく反映させながら業務をすすめていく」と上々です。
「社会にできることはなんだろう?」と改めて考えました
大学や病院などのプロジェクトをはじめ、社会的な意義のある公共性の高いプロジェクトでは、クライアントの心意気を感じて「よし、やろうか」という気持ちも大切というのが宇都宮氏の考え。時には予算の都合がつかなくても、互いの信頼関係によっては「この程度のことでしたら、サービスでやります」という姿勢が次への信頼へとつながっていく。「僕は吉本君を信用している。彼は侠気がある」。そんな先生の言葉も、ユーワークスがつねにお客様視点での開発を心掛けている様子を目の当たりにしている表れでしょうか。「教員以外の職業に就かなかったせいか、お金には無頓着で生きて来た気がします」「ただ一途に周囲の人に対して、自分ができるサービスを提供し続ければ良い」との言葉は、ユーワークスが進むべき道を示していただいているようです。
まだまだユーワークスは口先だけ?最後には厳しいお言葉も…
最後には、ユーワークスへの叱咤激励ともいえるひと言をいただきました。「吉本君が、人と一体でなければシステムではないと言うが、一担当者や一部署が使いやすいという程度では私からすればまだ口先だけ。規模や関わる人たちの多様性が広がればあるべきシステムの性質はまったく違ってくる。プロジェクトの進行管理も一筋縄ではいかない」と、より大きなステージへの挑戦を期待して厳しいお言葉をいただきました。「私は人間関係が、生きる上でのいちばんの財産。それをお金で一件ずつ清算するような人生は送りたくない。だから、そういう会社が伸びて行って欲しい」とも言っていただき、「その思いを多くのクライアントが理解し、ユーワークスを使っていく。そして、お互いが大きくなっていって欲しい」と、明日からの仕事に勇気がでるようなエールまでいただきました。
取材を終えて、わたしたちが感じた事
宇都宮氏の当社に対する温かくも厳しいコメントは、わたしたちに対する期待の裏返し。現状に甘んじることなく、一歩一歩成長し、社会から必要とされる企業になるための努力を続けてゆきたいとの気持ちが強まりました。
前筑波大学 特任教授 宇都宮 公訓さま
当社代表吉本の恩師。日本の情報技術分野を黎明期から支えるソフトウェア工学の第一人者。当社を厳しく温かく見守り続けるアドバイザー。
(2012年10月12日現在)